CASE STUDY/ゴルフスクール
ゴルフスクールの販促を、制作会社に発注せず回すまで
8年223点の制作と、内製化への移行
(最終更新:) / 新田 雄三
ロゴから、いまのチラシまで。
ゴルフスクールKKGAのブランドを、立ち上げから現在まで一貫して支えています。
千葉県八千代市のゴルフスクール KKGA 様の販促物を、2018年から継続して制作しています。YouTubeのサムネイルと動画制作から始まり、翌年にロゴと名刺、 以降はフライヤー・ポスター、そしてWebサイトの構築と運用まで一貫して担当してきました。
直近はClaudeとCanva MCPを使い、企画から書き出しまでを制作会社に発注せず回しています。 同じ状態を自社で作りたいスクール・練習場・スポーツ教室の運営者の方に向けて、 何をどう変えたのかを公開します。
8年
継続支援(2018年〜)
223点
制作物の累計
135点
フライヤー
発注ゼロ
デザイン会社への発注
01 CHALLENGE
1. 「作れる回数」が、集客の上限を決めていた
チラシ1枚を外注すると、要件を伝え、初稿を待ち、修正を戻し、また待つ——納品まで1〜2週間。 修正のたびに追加費用が発生します。この前提では、打てる施策は「年に数回の大きなイベント」に絞られてしまいます。
A4片面フルカラーのチラシデザインを制作会社に依頼した場合、私が調べた範囲では相場は1.5万〜5万円でした。 月に1回の告知でも、年間では18万〜60万円になります。
BEFORE 外注前提
- ●1枚あたり1〜2週間の制作リードタイム
- ●修正のたびに追加費用と待ち時間
- ●思いついた企画を、その月に告知できない
- ●結果、施策は年数回の大型イベントに限定
AFTER 内製+伴走
- ✓思いついた日に、その日のうちに形にする
- ✓修正は対話で即座に反映
- ✓空き枠・天候変更にも1枚で対応できる
- ✓8年間で223点という制作量が成立
重要なのは単価ではなく、頻度です。 打席に立てる回数が変われば、集客の設計そのものが変わります。「安く作る」ための内製化ではなく、 「必要なときに必ず打てる」状態をつくるための内製化です。
ゴルフスクールは、直前の予定変更が起きやすい業態です。 天候、参加人数、コースの空き。外注していると、その変更のたびに費用と待ち時間が発生します。
すると「直したいけれど、また頼むのも申し訳ない」と、我慢するようになる。 告知を1本増やしたいと思っても、見送るようになる。
内製に切り替えると、この判断そのものが消えます。 思いついたときに出せる。集客への効果としては、削減額よりこちらが大きいと感じています。
02 APPROACH
2. AIが人を置き換えたのではありません
KKGAの体制は「AIツールを導入したから回っている」のではなく、 AIを使いこなす伴走者が中に入っているから回っています。 ツールは買えば手に入りますが、「何を作るべきか」「どう見せれば申し込みが増えるか」の判断は、事業を理解した人間の仕事です。
私が提供しているのは、まさにこの判断ごと伴走するという部分です。
実際の運用領域
| 販促物の制作 | ClaudeとCanva MCPを連携し、チラシ・バナーを内製 |
|---|---|
| Web・LP | HTML/CSSのコード生成、WordPressサイトの構築・運用 |
| サイト保守 | MCP経由でWordPressを直接更新。制作会社を介さず即日反映 |
体制としては「制作パートナー1名+AI」で完結しています(デザイン会社への発注:ゼロ)。 人員を増やさずに、必要な制作量を確保できる形です。
AIに任せる部分と、人がやる部分
AIに任せる
- ✓見出しの案出し
- ✓たたき台のデザイン
- ✓日付や文言の差し替え
人がやる
- ●文字組みの詰め
- ●日時・料金の照合
- ●採否の判断
文字が主役の紙面は、いまのところ人が組んだほうが速くて確実です。 ここを正直に線引きしておかないと、途中で破綻します。 実際にCanva MCPで比較図を作らせて、8案すべて不採用にしたこともあります。
Canva MCPで内製化する手順と限界Webサイトは2件。商圏ごとに分けています
紙だけで終わらせていません。KKGA様のWebサイトは2件とも構築から運用まで担当しています。
同じ指導者なのに分けたのは、商圏も客層も売るものも違うからです。 千葉は通い続ける会員を集めるスクール、愛知は遠方からでも受けに来るマンツーマン指導。 1つのサイトに同居させると、どちらの訴求も弱まります。
愛知のサイトでは「アプローチ専門」まで絞り込みました。 教える範囲を狭くするほど申し込みが減りそうに見えますが、実際は逆で、何の先生なのかが一言で伝わるほうが選ばれます。 チラシで対象レベルを明記するのと、まったく同じ考え方です。
運用面では、MCP経由でWordPressを直接操作して更新しています。スケジュールの差し替え程度なら制作会社を挟まずに完了します。 更新後は実際の画面を自動で開いて表示を確認してから完了としているので、崩れたまま公開されることがありません。 2サイトとも構造化データ(schema.org)を実装しています。
03 RESULT
3. 8年・223点という結果
一度きりの提案では、この数字になりません。制作点数は2019年3月から2026年7月までの累計です。
| 支援期間 | 2018年〜2026年(8年間・継続中) |
|---|---|
| 制作点数 | 223点(フライヤー135/ポスター6/YouTubeサムネイル82) |
| Webサイト | 2件(kkga.jp /aichi.kkga.jp)を構築・運用 |
| ブランドの起点 | 2019年制作のロゴが、現在も全制作物の基準 |
| クライアント | ゴルフスクール KKGA(千葉県八千代市) |
このほかに、ロゴ(正式版・白版/ai・eps・pngのマスターデータ一式)と名刺4種を制作しています。 また、支援を始めた2018年はYouTubeのサムネイルと動画制作が中心で、こちらは上の集計には含めていません。
ブランドの起点
ロゴそのものから作っています
支援そのものは2018年のYouTubeサムネイルと動画制作から始まりましたが、ブランドの土台になったのは翌2019年に制作したロゴです。 以降の名刺・チラシ・ポスター・Webサイトは、すべてこのロゴと配色から展開しています。
起点を作った人間が、その先の販促物も作り続けている。 単発で外注を挟むと、この一貫性が保ちにくくなります。
コンサルティングの多くは「提案書を納品して終わり」です。私の場合は、 ロゴを作った本人が、いまのチラシも作っています。 だからブランドがぶれない。そして「現場で本当に回るか」を、8年分の実運用で検証済みです。
04 BEFORE / AFTER
4. 同じ告知が、どう変わったか
下の2枚は、どちらも同じKKGAのパターレッスン告知です。左が2020年、右が2026年。 作っているのは同じ人間で、予算も同じ。この6年で私自身の経験も乗っていますが、それでもこの差の大きな部分はツールと手法によるものです。
ポイントは「おしゃれになった」ことではありません。読む順番が設計されていることです。 どこに目を向けさせ、何を最初に理解させ、どう申し込みへ導くか——この設計があるかどうかで、同じ情報量でも伝わり方が変わります。
年次イベントでも、同じことが起きています
毎年開催している周年記念コンペの告知でも、同じ変化が確認できます。 同じ主催者・同じ会員向け・同じ目的の案内が、5年でこう変わりました。
こうした毎年くり返す販促物こそ、内製化の効果が積み上がります。 前年の資産を土台に、その年の企画に合わせて作り替える——外注ではリセットされがちな蓄積が、内製なら年々厚くなっていきます。
05 CURRENT WORK
5. いま、実際に作っているもの
いずれも2026年8月、ClaudeとCanva MCPを使って内製したKKGAの告知チラシです。 企画が決まってから公開まで、外部への発注は発生していません。
どちらも同じブランドパレット(深緑+ゴールド)で組んでいます。 企画ごとに見た目がばらつかないので、続けて目にした人の中に「KKGAらしさ」が積み上がっていきます。 ロゴから一貫して関わっているからこそ、この統一が崩れません。
6. これまでの制作物から4点
新規獲得用のポスターから、既存会員向けの単発レッスン告知まで、目的によって情報量も見せ方も変えています。
※ 掲載しているのは実際に配布・掲示された販促物です。料金や開催日は当時のもので、現在の内容とは異なります。
7. この業種に特有の勘所
対象レベルを書かないと、申し込まれない
ゴルフは実力差が数字で見える競技なので、参加者は「自分が場違いではないか」を強く気にします。 上級者は初心者向けの会に行きたくない。初心者は上級者に混ざるのを恐れる。 どちらも「行きたくない」ではなく「行きづらい」です。
実際に使い分けてきた区切り方は3種類です。スコア(100切り・95切り・110切り)、経験(コースデビュー前・初中級・上級者)、属性(女性限定・親子)。 とくに「100切りレッスン」のように目標スコアを見出しに置く形は、対象を絞ると同時に得られる結果も伝わるので効率がいい。
新規向けと既存会員向けは、混ぜない
新規向けの主眼は不安を取り除くことです。道具がなくても大丈夫か、初めてでも浮かないか。 既存会員向けは相手がすでにスクールを知っているので、「今回は何が違うのか」だけを伝えます。説明が長いほど読まれません。
141点のチラシとポスターを振り返ると、圧倒的に多いのは既存会員向けでした。 スクール経営では、新規獲得より既存会員の稼働を上げるほうが売上に直結しやすいからだと思います。
企画は毎回考えず、型を回す
技術別の単発レッスン会(バンカー・パター・アプローチ・飛距離)、ラウンドレッスン、周年記念コンペ、季節企画。 この4つを回すだけで年間の告知は埋まります。ゼロから考えないことが、続けるための条件でした。
チラシの作り分けについては、記事のほうで詳しく書いています。
ゴルフスクールの集客チラシの作り方8. 同じ状態を自社でつくるには
いちばん多い誤解は、「AIを入れれば作れるようになる」というものです。実際に効いたのは、次の3つを積み上げたことでした。
- 1 うまくいった指示文を、そのまま保存する。次回は日時と文言の差し替えだけで済みます
- 2 ロゴ・配色・フォントを1か所にまとめる。毎回説明しなくて済むようになります
- 3 過去の制作物を日付つきのファイル名で残す。「去年の同じ企画」をすぐ引き出せると、制作時間が変わります
1枚作るのは誰でもできます。難しいのは続けることです。この3つがないと、担当者が変わった時点で外注に戻ります。
一度きりの提案ではなく、続く仕組みをつくること。 それが、8年という期間と223点という数字が示している価値だと考えています。
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